あらすじ
丹翡が守る天刑劍の鍔を奪おうと襲い来る獵魅と玄鬼宗郎党達。雨傘の義理を果たす為丹翡を助けた殤は、彼等から「お尋ね者」として手配されてしまう。成り行き上、再び玄鬼宗と対峙する殤の前に、二人の男達が姿を現す。
用語
鬼鳥[きちょう]
江湖[こうこ]の恩讐には複雑な事情が絡むことが多々あり、偽名を名乗るのはそう珍しいことではない。自己紹介を渋る相手を深く追求しないのもまた気遣いのうちである。
天刑劍[てんぎょうけん]
神誨魔械[しんかいまかい]の中でも、ひときわ危険な力を有する剣。
現在は刀の柄と鍔をそれぞれ取り外し、その力を封印されている。
鍛劍祠[たんけんし]
神誨魔械[しんかいまかい]が祀られている祭壇。
鬼歿之地[きぼつのち]
西幽[せいゆう]と東離[とうり]を結ぶ、呪われた荒野。
窮暮之戰[きゅうぼのせん]から二百年に渡り、誰ひとり行き来が出来たものは居ないとされている。
技名
流星歩[りゅうせいほ]
軽功術の絶技であり、ごく短時間だけ肉体を氣功エネルギーに変換して瞬時に移動を行う。充分な調息が必要なうえ、地脈の性質にも大きな影響を受けるため、条件の整った局面でなければ活用は難しい。
念白
狩雲霄
「雙目不能視物,隻眼能望千里。凝吾眸光成箭,奪人不避之命。」
日本語訳:双眸をもって何も見えない者もいれば、隻眼にて千里を見通す者もいる。
私が目を凝らせばその視線は矢となり、逃げ切れぬ者の命を奪い取る。